エトワールに寄せて

「君の"一瞬"を"永遠"にしたいんだ」

祝辞

 

 

 

薮くん、早稲田大学 人間科学部 人間情報科学科 ご卒業おめでとうございます。心よりお祝いの言葉を申し上げます🌸

 

 

 

2019年、ハルのインタビューが各スポーツ誌、雑誌に掲載されていた春先、薮くんが夕刊フジにて、2020年大学卒業予定であることを話してくれた。それまでも、卒業シーズンが近付いてくるとひそやかに薮担の間で「薮くんの大学はどうなったんだろう」と語られていた。音沙汰がないまま数年が経ち、2019年の夕刊フジにて薮くんが大学の話をしてくれた。嬉しくて堪らなかった。

そして2020年3月26日、ついに薮くんが早稲田大学を卒業したと様々なメディアに取り上げられた。「8年かかった」、その言葉の本当の重みは、きっと薮くんにしかわからない。

 

大学は義務教育ではなく、自らの「学びたい」という意思を持って通う場所だ。親、世間、国から求められる「勉学」ではなく、自らの人生を豊かにするために通う「大学」に進むことを、薮くんは22歳で決めた。

一般的に22歳は高校を卒業後、四年制の大学に進学した人が就職する年齢だ。薮くんはHey!Say!JUMPとしてデビューし、人気グループの最年長として、「社会人」として既に存在していた。そんな薮くんが大学進学を決めた。わたしは当時JUMPのファンだったわけではなかったので詳しいことはわからないけれど、自由に選び取れる人生選択の一つとして薮くんが「大学に行って学ぶ」という選択肢を選んだことがすごくカッコいいな、と思った。

 

わたしは、「大学」、所謂四年制大学にとてつもない憧れとコンプレックスを持っていた。

進路を考えていた頃、自分には学びたい分野があり、進みたい道も朧気ではあったけれど存在していた。しかし、何の権力も財力も持たない10代の小娘が「わたしの人生だから」と豪語して自分一人が人生を決めて突き進むような度胸もなければ、許容されることもなく、わたしは専門分野の短大に進学した。勿論、自分が学びたい分野ではなかったため、在学中は全くやる気がなく、ギリギリの成績で進級し、気付けば最終学年になっていた。

在学中、実習と実習日誌に追われ、週の睡眠時間がトータルで6時間、軽度の胃潰瘍になり、週末は点滴を打って薬で騙しながら実習していた。当時、ツイッターのリア垢に四年制大学に通う友人たちの「自主休講♡ カフェでまったり♡」、「四年次で単位を取ればいいのでハワイに旅行中♡」などの楽しげなツイートが流れてくることが毒でしかなく、同じ大学の学科に通う友人達以外を総出でミュート、ブロックしていた。死ぬ気で戦い抜き、死ぬ気で国家資格を取った。「わたしが選んだ人生ではない」、在学中に何度も頭の中で反芻した言葉だった。今でこそ、今の仕事に面白さややりがいを見出して前向きに仕事をしているけれど、就職したての頃はそのモチベーションの低さが原因で就活に失敗した。

 

四年制大学に進んでいたら、わたしの人生は変わっていたのだろうか。そんな風に考えた。

でも今更、この人生を変える度胸もない。10代の頃、その道に進んでいたら?と考えるだけで終わっていた。そんな思いを燻り続けて何年目かの今年の春、薮くんの大学卒業の報告を受けた。

 

「8年かかった」、「挫けそうになった」、「正直何度かもういいかなって思うことがあった」

赤裸々に語られた言葉たちに胸を打たれた。

4年でストレート卒業した人に比べると、8年がかりで卒業したことは劣るのかもしれない。でも、インタビューで語られた「物事を続けることは大事だと思った。やりきることって意外と難しかったりする」という言葉が全てだと思った。薮くんが8年かけて手に入れた「早稲田卒」という称号。それは、ストレート卒業した人には得られない価値だと思う。下降したモチベーションを自ら鼓舞し、それこそ「ど根性」で単位を習得した。それも、Hey!Say!JUMP 薮宏太としての仕事もこなしながら。想像を絶するほど過酷な日もあったと思う。でも薮くんはいつも、ファンに向ける表情にそんな影は一ミリも見せなかった。強い人だと思った。薮くんの強さは、自分の弱さを隠さずに認められるところだと思っている。8年もかかったことを笑う人もいると思う。だけどわたしは、8年かけてでもその道を降りなかった薮くんの「強さ」がすごく好きだ。有耶無耶にしたり、中退という選択肢もある中で薮くんは「卒業」に辿り着いた。8年かかったことを言い訳にせず、まっすぐにそれを捉えて。年月は歩んできた足跡でしかない。その中で薮くんが感じたこと、葛藤したこと、得たものが全て未来の薮くんに通じていくと思うと、その8年は決して無駄じゃなかったんじゃないか、と第三者ながらに感じた。

 

薮くんに「人生において遅すぎることなんてない」と教えられた。ずっと燻っていた「大学」という場所へのコンプレックスがスッと消えた瞬間だった。確実じゃなくともこの先の人生の中で「大学に行く」という選択肢を選んでもいい、と自分で自分を許せた瞬間でもあった。それだけで十分だった。実際に大学に通うかどうかはまだわからない。一生無いかもしれないし、すぐに叶えてしまうのかもしれない。実際自分がこの先どうするか、という話ではなく、いつでも、どんなタイミングでも、何歳になっても、自分の学びたいことを学ぶために大学に入学して、時間をかけてでも卒業に辿り着くことは、自分の人生を豊かにする価値のあるものだということを、薮くんを通して知れた。それは、ストレート卒業ではなく、8年がかりで卒業を手にした薮くんだからこそ、思えた感情だと思っている。

 

アイドルはファンに夢や希望を与える存在だと思う。薮くんもその一人だけど、わたしは薮くんの生き様や、人生に立ち向かうその姿勢に、沢山のことを学ばせてもらっている。薮くんの言葉や生き方に、何度も心を救われてきた。

そんな薮くんが「やり切ってみんなに伝えることができて嬉しい!」とやぶぺで語ってくれた。自分が卒業できたことよりも先に、それをファンに伝えられることを嬉しい、と語る薮くんに涙が止まらなかった。事実、わたしはその報告を受けてすごく嬉しくて幸せだったと同時に、救われた気持ちにもなった。

 

薮くんはわたしの人生において、わたしの前に立つ人だ。薮くんがいて初めて自分の物事が進んでいく。薮くんがいるから存在している「わたし」がいる。前を向いていられる。薮くんが好きな自分を好きでいられる。薮くんに対して誠実でありたいと思う。それは、いつだって薮くんがわたしたちファンに誠実でいてくれるから。まっすぐに愛してくれるから、同じだけの、いや、それ以上の愛を捧げたいと思う。薮くんがそう願わなくとも、わたしはきっと薮くんを愛する人生なんだと思う。でも薮くんは願ってくれる。「誰かの唯一無二になりたい」、「薮くんが一番と思ってもらいたい」と。そう願ってくれる薮くんが優しくて、本当に大好きだな、と強く強く噛み締める。

 

自担、薮宏太さんに「早稲田卒」の箔がついた。

宇宙一カッコよくて、顔で天下を取っていて、スタイルが良くて、脚がバケモノ級に長く、唯一無二の歌声を持ち、博識で、優しく、仕事ができる薮くんに、「早稲田卒」が加わった。天が82億物を与えた男、それが薮宏太さんです。

 

30歳を迎え、さらに飛躍し、魅力を増す薮くんが心の底から大好きです。

 

改めて、心よりお祝い申し上げます。

薮くん、ご卒業おめでとうございます。大学で学んだことが、薮くんのこれからの人生に沢山生かされていくことを祈っております。

 

愛を込めて。

 

 

(@82yb_)